どちらかと言えばどんくさく、スローな自分が、ここ数年心がけてきた2つのことがある。
1つめは、
「あ、これいいアイデアだな!」
と思ったら、ぐずぐずしないでとりあえずスピーディーに実行に移してみるということだ。自分なりに会得したコツは、実行に移す時に、
「とりあえず3カ月間やってみて、ダメだったら速やかに切り捨てる」
と決意しながら始めるということだ。そうすると、始める段階で「もし失敗したら…」とかぐずぐず悩まなくて済む。
2つめは、チャンスが来たら、かなり難しそうでもとりあえず飛びつくということだ。
例えば、ずっと以前から自分がお願いしてでもやらせてもらいたいと夢見ていた仕事のオファーが来たとする。でも、そういうチャンスは必ずと言っていいほど最悪のタイミングでやってくる。
例えば、今月は別の重要案件があって両方やるのは常識で考えて不可能そうだ。そんな場合でも、とりあえず「できます!」と言ってみる。もちろんそう言うと同時に、死んでもやり遂げると言う覚悟はしています(笑)。
この3月がまさに、そのタイミングの悪いチャンスの神様がやってきた月だった。
前回失敗した税理士試験を3月15日に控えていたので、1月から3月はできる限り仕事を効率化し最小限に抑え、夜はぴったり7時に仕事を終え、毎晩オフィスに残って試験準備をしようと考えていた。ところが、2月の中頃に前からやらせてもらいたいと思っていた仕事のオファーが来た。締切は試験の前の週の3月9日だ。
心配した同僚のSさんが、
「仕事の開始と締切を、試験の後の週にのばしてもらうように頼んではどうですか?」
と言う。
「いえ。せっかくの申し出でしたので、その場で『できます!』と言ってしまったのです…」
試験の後の週にやらせてもらえますかと言おうものなら、「それでは結構です」と言われてしまうような気がしたからだ。あきれるSさんの顔を見ながら、自分自身もなんと無謀なことを引き受けてしまったのだろうと急に心細く思い始めた。
でも一度引き受けてしまったことを撤回するわけにはいかない。カレンダーを睨んでため息をつく。睡眠時間を削ればなんとかなるのかもしれないが、それだけは絶対にやりたくない。自分にとって睡眠と毎日のジムでの運動は、仕事を効率的にこなすためのエンジンのようなものだ。睡眠とジムの時間を減らさずに、どうやってこの非常識な目的を実現するか。そのためには、
以前もブログに書いた普段から心がけているタイム・マネージメントを超えた、スーパー・タイム・マネージメントが必要になりそうだ。
その時、ふと、前述の同僚のSさんのOutlookのカレンダーが目に入った。Sさんは、日頃から私が仕事の達人と崇める人なのだが、彼のカレンダーの使い方が私のそれと微妙に違っているのに気がついた。私のOutlookカレンダーにはミーティングや訪問のアポイントメント、クライアントに約束した納期など、第三者が絡むものしか記入されていないのだが、Sさんのそれには、それらに加えて、自分一人でする仕事の予定が入っているのだ。
Sさんのカレンダーには、優に私の3倍はあると思われる超人的な数のアポイントメントが記入されているのだが、アポが入っていない部分にも、自分でやらなくてはならない作業の内容が記載されている。
私はとりあえず、これを真似して、3月15日の試験準備のための時間を毎晩19時から22時半まで記入し、3月9日締切の仕事の準備をするために必要な時間を、アポの入っていない部分に配分した。Outlookの予定表はアイテム毎に色分けができることに気がついたので、試験準備の時間はグリーン、3月9日締切の仕事はブルー、日常的なクライアント対応の仕事はイエロー、営業活動の時間はレッド、ジムでの運動時間はパープルで色分けした。
ただ計画通りに進む場合はまれなので、1時間経過するごとに自分が実際に何に時間を使ったかを振り返り訂正・記録する。つまりOutlookカレンダーを、タイムシートとしても活用することになった。
例えば、これは試験の直前週の3月7日(月)から13日(日)の私のカレンダー。
予定では、毎日仕事は19時で切り上げ、19時以降は試験準備(グリーン)一色になる予定だったのが、色々不測の事態が生じて(涙)、昼間に切り上げる予定だった3月9日締め切りの仕事(ブルー)やクライアントからの緊急の要請への対応(イエロー)が大幅に夜の時間を浸食している。
このような突発事象は始終起こるので、絶えず時間を記録していくことにより、一瞬も気を抜かずに時間の配分に気を配ることになる。また、振り返って色別の時間分布が一目で見渡し、過去を反映させて将来の計画を絶えず作り直すので、タイム・マネージメントにおおいに役に立った。
このお陰で、一見不可能に思われたスケジュールをこなすことができ、3月9日の仕事も無事終わったし、3月15日の試験にもめでたく合格することができた。
普段スローな自分にとっては極限的と思われるスーパー・タイム・マネージメントに挑戦したことによって、逆にそれまでの自分が実にもったいない時間の使い方をしていたということにも気づいた。ということで、これからもこの習慣を続けることにしてみました。
今回は、仕事の内容別に3つのカラーを使い分けたが、
以前のブログに書いたように、重要度と緊急度によりカラーを色分けするのもよいかもしれない。例えば、
1) 緊急で重要なこと レッド
2) 緊急だが重要でないこと イエロー
3) 緊急ではないが重要なこと グリーン
4) 緊急でも重要でもないこと ブルー
と言う風に。
これをやってみると、自分が日ごろいかに「緊急だが重要でないこと(イエロー)」に時間を取られていることが一目でわかる。また、「緊急ではないが重要なこと(グリーン)」に取り掛かるのを何故か先延ばしにしており、「緊急でも重要でもないこと(ブルー)」に逃げていることに気付かせられることもあるかもしれない。これが、良く言われる「雑用に逃げている」という状態だ。
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