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パリ追悼

出張先の日本でパリのテロ事件のことを聞いて、一足遅く日本に到着したパリ事務所のフランス人同僚に「大丈夫だった?」とそっと聞くと、彼はとても静かな口調でこんな風に言った。

「あの事件の翌朝、僕は妻と子供たちとパリの町中を散歩してみたんだ。そうしたら、パリは閑散として人っ子一人見えなかった。…でもそれこそ奴らの思う壺だよ。だから自分の恐怖心と戦いながら、そういうときほどいつもの朝と何も変わらない顔をして朝の散歩を楽しむべきなんだ」

彼は、シルベスター・スタローンでもなく、フロン・ナショナルのような最右翼でもなく、あまり風采の上がらない、平凡な三十代後半の税理士だ。でも私はその言葉を聞いた時、とてもびっくりして、「ああ、フランス人ってこういう人々なんだ」とかすかな感動を覚えた。

フランス人がイスラム教徒のテロに慣れていると言うのは言い過ぎかもしれないが、多くのイスラム教徒を自国内に受け入れながら、ISISに始まったことではなく1995年のGIAによる地下鉄テロ等に耐えながら、イスラム教徒との確執をくぐり抜けてきたフランスだ。自分だけは関わり合わないようにひたすらテロから逃げまとうのではなく、ヒステリックに移民を追い払うのでもなく、自分なりの方法でテロリストと戦う気概があるのではないか、そんな風に感じた。

本日イギリスのBBCのアンドリュー・ニールのテレビでのメッセージにもそんな気概を感じた。
 
(翻訳)
 今晩は、皆さん、「今週のハイライト」へようこそ。今週は、ジハディストの負け犬どもが、未来はフランスのような文明にではなく、自分たちのものであると言うことを証明しようとして、パリで132人の無実の人々を殺傷しました。まあ、私は、彼らの勝運を信じてはいませんけれどね。だってフランスの偉大さを考えてみてください。デカルト、ブレーズ、モネ、サルトル、ルソー、カミュ、ルノワール、ベルリオーズ、セザンヌ、ゴーギャン、ユーゴー、ヴォルテール、マティス、ドビュッシー、ラヴェル、サンサーンス、ビゼー、サティ、パスツール、モリエール、フランク、ゾラ、バルザック、シャンペン、画期的な科学技術、世界的な薬品、恐るべき軍隊、原子力、ココ・シャネル、シャトオ・ラフィット、コック・オ・ヴァン、ダフト・パンク、ジズー・ジダン、ジュリエット・ビノッシュ、自由・平等・博愛、そして、クレーム・ブリュレ。 一方、君たちの誇れるものは何ですか? 首切り、磔、手足の切断、奴隷、大量殺人、中世みたいな貧困、中世の名前も汚すような死のカルトの蛮行だけでしょう。IS 、ダイッシュ、ISIS、ISIL、色々な呼び方があるけれど、私はあえてISと言う呼び方にこだわるね。Islamist Scumbag(イスラム主義のカス野郎)と言う意味のね。今後どうなるかは皆にとっては一目瞭然だが、君たちにはまだわからないようですね。君たちが今行うことのできる残虐な行為がどのようなものであっても、君たちは負けるんです。素晴らしい光の都市であるパリは、他の同じ様な都市と同じように、千年後も明るく輝いているだろう。一方で、君たちは塵と化しているだろう。かつて民主主義を攻撃して、そして失敗した、みじめなファシスト、ナチス、スターリニスト達と一緒にね。

(原語もスクリプトしてみました)
Evening all welcome to This Week, a Week with the bunch of loser Jihadists slaughtered 132 innocents in Paris, to prove the future belongs to them, rather than the civilization like France. Well I can’t say I fancy their chances.  France, the country of Descartes, Boulez, Monnet, Sartre, Rousseau, Camu, Renoir, Berlioze, Cezanne, Gaugan, Hugo, Voltair, Matisse, Debussy, Ravel, Saint Sans, Bizet, Satie, Pasteur, Moliere, Frank, Zola, Balzac, plonk (=champagne), cutting-edge science, world-class medicine, fearsome security forces, nuclear power, Coco Chanel, Chateau Lafite, Coq au Vin, Daft Punk, Zizou Zidane, Juliette Binoche, Liberté, Egalité, Fraternité, and Crème Brulée.  Versus what!?  Beheadings, crucifixions, amputations, slavery, mass-murder, medieval squalor, a death-cult-barbarity that would shame the Middle Ages.  Well IS or Daish or ISIS or ISIL, or whatever name you are going by, I am sticking with 'IS', as in, Islamist Scumbags.  I think the outcome is pretty clear to everybody, but you.  Whatever atrocities you are currently capable of committing, YOU WILL LOSE! In a thousand years’ time, Paris, that glorious city of lights, will still be shining bright, as will every other city like it, while you will be as dust along with a rag-bag of Fascists, Nazis and Stalinists, that have previously dared to challenge democracy AND failed.

大国イギリスやBBCが後ろにひかえているとは言え、ロンドンにもイスラム過激派は多いだろう。BBCのスタジオを出た所で、背後からグサッと刺される覚悟がないと、ここまで言えないと思いました。

こんなふうに、自分の命を危険にさらしても言葉による抵抗を続けることが、シリアの空爆みたいな暴力の応酬よりも勇気があり正しいことではないだろうか。

 

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