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時には小さなことを気にしてみよう。

最近大量購入した脳関係の本のうち、築島節先生の「脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書) 」は、自分のように記憶・集中・思考力の低下に恐れおののく中高年を対象として、具体的なアドバイスとその科学的な根拠が説明されている有難い本でした。

雑誌「壮快」とかに出てきそうな、「適度な運動、腹八分目を心がけましょう」等と言う記述を読みながら、「ああ、自分もついにこんな本を読むようになったか」と少々情けなくなったが、科学的な根拠の丁重な説明が若い人が読んでも面白いのではないかと思う。

15個の習慣の内、すぐ実行に移してみて劇的な効果があったのは、
「習慣13−脳の自己管理:失敗ノートを書こう、自分の批判者を大切にしよう」
だった。

***

自分の場合、あきれるほど小さな忘れ物が多い。毎朝、ジムに行ってから、会社に行くのだが、そのどこかの過程でいろいろなものを忘れるので、非常に効率が悪い。昔からそうだったのかもしれないが、この本を読んでから、毎日ひとつは必ず何か忘れものをしていることに気がついて、深刻な気分になった。

忘れ物をする原因の一つは、もともと注意散漫な性格のくせに、自分が毎朝ずいぶんと複雑な操作をやっていることだった。前の晩、ジム・バッグに翌日オフィスで着る衣類を注意しながら一つ一つ入れる。水のボトルを入れる。化粧品を入れる。朝になると、家のキーや車のかぎをすぐ取り出せるようにコートのポケットに入れ、お弁当とキャッシュカードとアイホンは書類カバンに入れる。家を出る時は、書類カバンとジム・バッグを手に持っているかどうか確認する。車に乗る時、会社の従業員カードとジムのパーキングカードが車の中にあることを確認する。ジムに着いて車を降りる時、パーキングカードとジム・バッグを手に持っており、書類カバンをもってきやしないかを確認する。ロッカールームからジムに上がる時、水のボトルとアイホンを忘れないように注意する。シャワーの後、液体せっけんをシャワールームに忘れていないかどうかを注意する。車をジムのガレージから出す時、パーキングカードを手に持っているかどうかに注意する。
 
この複雑な操作を一つ一つする過程で、その内の要素の一つに過剰な注意を向けたり、ちょっと考え事をしたりすると、必ず他の要素に対する注意が空白になって、完全に忘れているということが起こる。そのため、ジムのトレーニングを終わって、さあ会社に行こうという時になって、化粧品を忘れていることに気づいたり、ブラを忘れてきたことに気づいたり(笑)、車をガレージから出す時点でパーキングカードを忘れていることに気づいたりする。

「脳の問題を自覚するもっとも良い方法は、自分がした失敗を分析することです。特に繰り返しする失敗には、脳の悪い使い方や機能の低下が分かりやすく表れています。
 それを分析し、改善の指針にするには、まず失敗を記録しなければいけません。(・・・)
 記録しておかなかった失敗はどうしても忘れてしまいます。『そんなことはない。自分は失敗した経験こそよく覚えている』と思われる方もいるかもしれませんが、それは、その失敗によって大きな痛手を被り、何か意識的に努力しなければならなくなった場合だけではないでしょうか?その他の小さな失敗は、ほとんど忘れているのが普通だと思います。
 しかし、その小さな失敗の中にこそ、おおきな失敗を未然に防ぐ警告が含まれているのです。」

築島節先生は頑固な老人を諭すような口調で、辛抱強く丁寧に説明を続ける。

「失敗を分析するとき、大きな失敗に注目しても、なかなか原因が見えてきません。大きな失敗の中にはいろいろな要素が含まれているので、かえって本質的でない(しかし感情的に引っかかっている)要素に注目してしまいがちなものです。それよりも、日常的によくする小さな失敗から注目していく方が本質に近づきやすいでしょう。」

素直な自分は、10月は、月記の習慣を中断して、失敗を毎日細かに記述することにした。それを読み直して、複雑な過程のなかで簡略化できるものは簡略化したり、構造上失敗を予防する方法があれば改善してみる。たとえば化粧品は2セット用意し、ジムのバッグと書類カバンにそれぞれ常備することにしてみる。

不思議なことに1カ月失敗日記をつける内に、失敗がほとんどなくなって行った。たぶん失敗日記をつけることで、日常の動作のひとつひとつに注意が行きとどくことになったのではないかと思う。一種のヴィパッサナー瞑想である。

「この『失敗ノートをつける』という習慣は、脳を自己管理する上で、非常に有効だと思いますが、続けるには意志の強さが必要ですから、実行できそうもないと感じる人も多いでしょう。そういう人は、人から指摘される自分の問題点をまとめておくだけで違うと思います。
 その人がよくする失敗や問題行動は、本人よりも周りの人がよく分かっている場合が多いものです。しかも、小さな失敗を一度か二度したからといって、問題だと指摘する人はいません。何度もするから周りの人が『おかしい』と思って指摘するわけです。面と向かって指摘を受けた直後は、どうしても感情が邪魔をするので、素直には耳を傾けにくいものですが、書きとめておいて、冷静な時に見返してみると、『確かにその通りだ』と納得させられることが多いと思います。それを直そうと努力してみて下さい。脳の使い方が改められ、大きな失敗を未然に防ぐことにもつながるはずです。」

***

小さい失敗を繰り返すという傾向を助長して、脳を怠慢にしてきたのは、自分の「小さいことを気にしない性格」だったということに気がついて反省しているのであった。


JUGEMテーマ:健康

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