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天の声、地の声

エジプトの騒乱が収まりそうにない。死者は100人を超えている。大統領ムバラックは、「私だって退きたい。でも私が退いたら、エジプトは本当の混乱の坩堝に陥ってしまうだろう」そう言って、9月の選挙までは退陣しない意思を表明している。

政敵をどんどん監獄入りさせてしまったムバラックは明らかに独裁者と呼んでよいのだろう。でも独裁政権自体が悪いのではないかもしれない。強力なリーダーの存在によって、国が安定する。そしてそのリーダーが、「賢く正しい」選択をすれば国は発展するということになる。

でもニュースが伝えるエジプトは食糧の大部分を輸入に頼っていて、食糧インフレで相対的に人口の40パーセントが貧困層に分類されるのだと言う。これはやっぱり、ムバラックが政策を誤ったのだから、責任を取ってやめるべきだと皆が騒ぐのは無理もない。

エジプト革命勃発前に何もしらずに、エジプトにのんびりバケーションに行き、のほほんと帰ってきた自分は、旅先でフランスの小説家クリスチャン・ジャックの小説「太陽の王ラムセス 」5巻本を読みふけっていた。

亭主のグリと旅行に行くとほとんど本を読む時間はないのだが、そのときばかりは、飛行機の中、ダイビングに行くボートの中、夜のテントの中で懐中電灯で本を照らしながら・・・と夢中になってそれを読み続けた。

クリスチャン・ジャックはソルボンヌ大学でエジプト学を学んだと言うことで、この学問の最新の成果を小説の中に反映させている。

そこで、古代エジプトには奴隷制がなかったらしいと言うことを教わった。モーゼの出エジプト記の話も、エジプトで奴隷の身分に甘んじていたヘブライ人たちをモーゼが導いて約束の地まで連れて行ったというのが私が子供の頃から信じていた物語だったが、この物語によると、ヘブライ人たちはエジプト市民として生活していたし、モーゼ自身もエジプトの高官であった。100人ぐらいいたと言われるラムセスの子供たちも、市民から選ばれた養子であったらしい。男女も平等に尊重されていて、皆が満足している。どうも、現在のエジプトよりかなり生活レベルの高い社会であるようなのだ。食糧自給率だって今より高そうだ。

小説の中のラムセス2世は、神とつながり、神から強大な力と知恵を授けられる。でも、その力を私利私欲のために使うとそれを失うことを知っている。その神の声に従って、自分の身を削り世間的な幸福を犠牲にして、エジプトを脅かそうとするヒッタイトや、エジプトの中の政敵を打ち倒していく。エジプトの人民を愛を持って導いていく。神様のサポートのお陰で「よい独裁者」になれたわけだ。

一方、ラムセス2世の学友のモーゼは、別の神の声を聞いている。その神の声がモーゼを突き動かし、エジプトの安寧の中で充足しているヘブライ人たちを叱咤激励し、砂漠で出会う様々な敵たちと戦いながら約束の地へと向かっていく。

ラムセスは自分の神は信じているが、モーゼが砂漠の中で逢ったという神については、モーゼが日射病に当たって幻覚を見たのではないかと疑っている(笑)。ラムセスの神とモーゼの神は相容れないのだ。

リーダーが天の声に従って国を導くことができた時代は簡単だったのだろう。現代のリーダーは、矛盾し錯綜する無数の地の声を拾い上げていかなければならない。それは厳かで澄み切った真実の声ではなく、ほとんどが私利私欲に満ちた阿鼻叫喚のようなものだ。大変なものだ。

***

ここベルギーでは無政府状態が(いつからだっけ?)ずっと続いている。関東地方ぐらいの大きさで、人口は東京の人口ぐらい。オランダ語とフランス語の政党間の折り合いがつかず、こじれにこじれているのだ。ああ、恥ずかしい。

下は、ベルギーの無政府状態を嘆く地の声(ほとんど底辺からのジャンおじさんの声)。おじさんは無政府状態に抗議するための、「ヒゲをそらない運動」に参加したが・・・






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